2022/01/17
コラム 感染症
●狂犬病(きょうけんびょう)
●ケンネルコフ
●ジステンパー
●パルボウイルス感染症
●コロナウイルス性腸炎
●レプトスピラ症
感染症は予防注射で防ぐ
ウイルスや細菌が体内に入って伝染する病気を、感染症(かんせんしょう)といいます。感染症にかかっている犬と鼻や口が触れたりすることでうつります。
また、その犬が使用した食器や寝床、糞便に触れることでもうつります。
ウイルスや細菌に感染しても、免疫力(めんえきりょく)があれば発症(はっしょう)しません。しかし、免疫をつけるワクチンを接種していなかったり、ほかの病気で体の抵抗力が衰えていたり、体力のない子犬や高齢犬は発症しやすいものです。
年に一度のワクチン接種を忘れずにおこないましょう。
また、体力を維持(いじ)するよう食餌(しょくじ)、運動管理をおこないます。
●人畜(じんちく)共通(きょうつう)感染症(かんせんしょう)を知っておこう
●過剰な接触は避ける
犬の感染症や寄生虫症のなかには、人に感染するものもあります。これを人畜共通感染症と言います。狂犬病、レプトスピラ症、回虫症(かいちゅうしょう)、鉤虫症、条虫症など。失明したり、脳に障害を与えることがあるので注意が必要です。
口移しでものを与えたり、必要以上に接触することで感染することがあります。
●衛生管理を考える
また、糞便や尿には寄生虫の卵がふくまれていることがあります。糞便を処理したあとは、必ず石けんで手を洗いましょう。ひっかき傷がある場合は消毒をしておきます。
狂犬病
どんな病気
狂犬病は発病すると、致死率(ちしりつ)が一○○%というこわい病気です。狂犬病ウイルスは、発病している動物のだ液中にあり、かまれることで感染します。ウイルスが体内に侵入すると、中枢(ちゅうすう)神経(しんけい)が侵されます。潜伏期間は二~六週間。
症状
最初は食欲不振、暗いところに隠れるといった行動が見られます。やがて、よだれをダラダラと流し、凶暴性や興奮状態が続いて死亡します。
治療
発病すると治療法はありません。日本では、現在のところ発生がおさまっていますが、海外から持ち込まれる心配もあります。狂犬病はワクチンで予防できます。
年に一度の予防接種は、法律で義務付けられているので必ず接種しましょう。
ケンネルコフ
どんな病気
呼吸器の感染症。ウイルスや細菌、微生物などが原因で感染します。ケンネルは犬舎(けんしゃ)、コフはせきという意味。犬舎などたくさんの犬がいるところで、せきで伝染していくということからの名前です。
感染している犬のせきやくしゃみで、ウイルスや細菌がまきちらされ、感染します。
症状
乾いたせきが続き、ときどきのどに何かが詰まったようにせき込みます。軽症で回復することもあります。ひどくなると、高熱、膿状(うみじょう)の鼻汁、食欲低下、肺炎(はいえん)などをおこします。
治療
抗生(こうせい)物質やせき止めの薬を使います。ケンネルコフはワクチンの予防接種で防げます。年に一度、必ず受けるようにしましょう。
ジステンパー
どんな病気
ジステンパーウイルスに感染することでおこります。
ジステンパーウイルスは強い伝染力があり、死亡率も高い病気です。
感染している犬がくしゃみをしたり、ほかの犬と接触したり、使っていた食器やブラシ、おもちゃなどからジステンパーウイルスが犬の口、鼻を通して感染します。
症状
最初は発熱、食欲不振、元気がなくなります。次第にけいれん、体のまひなどの神経症状があらわれます。
治療
初期で発見されれば、助かることもありますが、有効な治療法はありません。
予防にはワクチン接種が有効なので、必ず年に一度の予防接種を受けさせましょう。