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2021/10/15

コラム 寄生虫症

●条虫症
●回虫症
●鞭虫症
●鉤虫症
●フィラリア症

感染を防ぐよう対策を
寄生虫は寄生している数が少なければ、体に重大な影響をおよぼしませんが、数が多かったり、犬の体が弱っているとき、寄生している場所などによっては、命に関わることもあります。
愛犬の健康を守るためにも寄生虫対策は必要です。
寄生虫対策のポイントは、感染(かんせん)を防ぐことです。寄生虫は蚊(か)やノミ、ダニなどを介して感染するものや、糞便(ふんべん)中にふくまれている卵を口にすることで感染したりします。
これらの感染経路(けいろ)を断ち切れば、寄生虫をよせつけません。
蚊やノミ、ダニの駆除(くじょ)、ほかの犬の糞便には近寄らせないなどの対策を講じましょう。

●寄生虫にはいろいろな種類があります
●内部(ないぶ)寄生(きせい)虫(ちゅう)
犬の体内に寄生する。大きさはさまざまで。長さが数センチから数メートルのものまで、あるいは顕微鏡でなければ観察できない原中類まである。主に小腸や大腸などの消化管内に寄生する。回虫、約虫、条虫、鞭虫などがある。バベシアという原虫は血管内に寄生す
る。

●外部(がいぶ)寄生(きせい)虫(ちゅう)
犬の体表に寄生する虫。かゆみが生じ、犬はしきりにかいたり、かんだりする。その結果、皮膚炎をおこす。ノミをはじめとして、シラミ、ダニなどがいる。

条虫症(じょうちゅうしょう)
どんな病気
イヌ条虫は、瓜(うり)の種が並んだように見えることから、瓜(うり)実(ざね)条虫(じょうちゅう)とも言われています。
イヌ条虫はノミによって感染します。イヌ条虫の虫卵(ちゅうらん)をノミが食べ、ノミの体内でイヌ条虫は感染子虫になります。このノミを犬が飲み込むことで感染します。

症状
食欲不振、下痢(げり)や軟便(なんべん)が続きます。目立った症状はありませんが、やせてきたり、毛づやが悪くなります。

虫卵がお尻の周辺を刺激するため、かゆがったり違和感を覚えたりして犬はお尻を地面にこすりつけるような動作をします。

治療
獣医師に処方(しょほう)してもらった駆虫(くちゅう)薬(やく)を使い、駆除します。栄養不良になっていたら、栄養剤やビタミン剤を用います。

回虫症(かいちゅうしょう)
どんな病気
回虫が寄生することが原因でおこります。犬に寄生する回虫には「イヌ回虫」と「イヌ小回虫」があります。糞便中に排泄(はいせつ)された回虫の卵を、犬が口にすることで感染します。卵は小腸でふ化して、子(こ)虫(むし)に成長します。

症状
寄生する回虫の数が多いと、体に影響が出てきます。食欲不振、貧血、毛づやが悪くなったりします。からみあったイヌ回虫がかたまりになって小腸に詰まり、腸閉塞になったり、回虫の出す毒素(どくそ)でけいれんやてんかん発作をおこすこともあります。

治療
獣医師の診察を受け、駆虫薬を処方してもらいます。体内から回虫がいなくなるまで続けます。同時に糞便の処理を徹底し、回虫の卵を放置しないように。

●回虫に感染するサイクル
便に混じって、回虫の卵が放出される
回虫の卵が体内に入る
全身を回る。
小腸でふ化する


鞭(べん)虫症(ちゅうしょう)
どんな病気
鞭虫という寄生虫に感染(かんせん)することでおこります。鞭虫は鞭(むち)のような形をした寄生虫です。鞭虫に感染している犬の糞便(ふんべん)には鞭虫の虫卵(ちゅうらん)がふくまれています。この虫卵が口に入ることで感染します。

症状
寄生している鞭虫の数が多くなると、さまざまな障害がおこります。下痢便(げりべん)や血の混じった粘液(ねんえき)が出ることがあります。
食欲がなくなり、おなかが痛いので背中を丸めたりします。栄養状態が悪くなり、毛づやが悪くなり、貧血や下痢による脱水(だっすい)症状で元気がなくなります。

治療
獣医師に処方(しょほう)された駆虫(くちゅう)薬(やく)を使い、駆除(くじょ)します。数回の投与で駆除できます。
駆除したあとは、犬の生活環境を清潔に保ち、ほかの犬の糞便に近寄らせないようにします。

鉤(こう)虫症(ちゅうしょう)
どんな病気
鉤虫という寄生虫が感染することでおこります。鉤(かぎ)のような形をしているので鉤虫と呼ばれています。
鉤虫に感染している犬の糞便に鉤虫の卵がふくまれています。この卵がふ化し、感染幼虫となり土のなかで生息しています。感染には経口(けいこう)感染、経皮(けいひ)感染、胎盤(たいばん)感染、経乳(けいにゅう)感染があります。

症状
成虫が感染した場合、それほど重症化はしません。注意したいのは子犬の感染です。とくに母犬から胎盤感染、経乳感染したときは急激に悪化し、死亡することもあります。

治療
駆虫薬で駆除します。胎盤感染、経乳感染は危険なので、交配させる場合には、便の検査をして寄生虫の有無を調べておきましょう。

鉤虫に感染するサイクル
①感染幼虫がふくまれている水や食物を介して口から感染する。
②経皮感染
感染幼虫が、皮膚や毛穴から入り込んで感染する。
③胎盤感染・経乳感染
感染した母犬の胎盤や母乳を介して感染する。

釣虫卵は便といっしょに排出される

フィラリア症
どんな病気
フィラリアは蚊(か)の吸血を介して、犬に感染する寄生虫です。犬に寄生しているメスのフィラリアは、血液中にミクロフィラリアという幼虫を産みます。そして下のようなサイクルで染が進みます。
体内に入った幼虫は脱皮(だっぴ)し成長し、血流にのって心臓に移動します。

症状
フィラリアが大量に寄生すると、心機能に障害が生じます。血流が悪くなり、ぐったりしたり、呼吸困難、黄疸(おうだん)といった症状があらわれます。赤(せき)褐色(かっしょく)の尿が見られるようになります。

治療
急性の場合は、外科手術によって心臓からフィラリアを摘出します。慢性(まんせい)の場合は駆虫薬で駆除します。
フィラリア対策として、蚊が発生する時期にフィラリアの予防薬を飲ませます。

蚊が血を吸い、フィラリアの幼虫が蚊の体内に入る
フィラリアに感染している犬の血液中にはフィラリアの幼虫がいる
蚊の体内でフィラリアの幼虫は成長する
蚊に刺されることで、体内にフィラリアの幼虫が入る
フィラリアの幼虫は、犬の体内で成長し心臓へ進む

●予防するポイント
●予防薬を飲ませます
予防薬には毎日飲ませるタイプや月に1度飲ませるタイプがあります。
蚊が出る季節には、定期的に服用しましょう。獣医師に処方してもらいます。

●蚊の対策をします
室内にも蚊は入り込んできます。蚊取り線香など虫用品を利用しましょう。室外に犬舎がある場合、防虫網をはり蚊をよせつけないようにします。

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